チーム専属のトレーナーとして活動しております、中谷大志(AT・SC・鍼灸師)です。
前回はチームトレーナーとして(個人的に)「どう在りたいか」といった内容で、
「教育的指導」
というチームトレーナーの役割に関して書きました。
↓気になる方はチェックしてみて下さい↓
”チーム”のトレーナーとして雇われている以上、できること、できないことの見境が非常に大切になってくることを個人の見解を交えて書きましたが、、、
極論、ある程度のことは、
「自己解決できる」
「解決方法の引き出しがある」
チーム全員がその状態になるのが究極だと思います。
ただし、チームには若手選手がいたり、
なかなか自分から行動を起こせないタイプがいたり、
イレギュラーなことが起こったり、
現場ではそう簡単に思い通りにはいかないのが現実です。
「チームトレーナーが暇そうにしているチームは強い」
ってどこかで誰かが言っていました。
(結構、言ってる人多い?気がします、よく聞きます、、)
本当に仕事をしていなくての”暇そう”はただの使えない奴なのでまた別です^^;
それまでの選手教育が行き届いており、1〜10まで説明せずとも選手が自ら動く状態を”暇そう”と表現しているのだと思います。
チームがその領域に達するまでは、日々の苦労や我慢が必要不可欠ではないかと思います。
なぜ、そこまでして仕事を減らそうとするのか?
→ 「トレーナーとして雇われてるのにそれなりに指導しろよ!」
と、思われるかも知れません。。
前回記事で挙げた、
「全体を見る割合が少なくなり気づけることが減る」
という理由と、あとひとつ意識していることがあります。
それは、、、
「その選手が指導する側になった時、質の高い指導をして欲しい」
ということです。
野球は野球はというとトゲがありますが、、
現在の野球界では選手から指導者になる際に、
指導者としてのスキルを1から学ぶというシステムは確立されておらず、
ほとんどの指導者が「自分がやってきたこと」が地盤となります。
もちろん、指導者としてオファーがあるぐらいの、
実績や人望があるアスリートがやってきたこと、経験したことは他には変え難い貴重なものということは、肌で感じています。
ですが、「それだけ」では指導する上で、上手くいかないことが多いように感じます。
その辺りが ”上手” な指導者(上から目線っぽくて失礼ですが、、)というのは、共通して、
現役時代から、
ひとつのことに対して色んな角度から興味を持ち、それを試行錯誤して自分なりに掘り下げ、実践を続けていた選手が多いと思います。
もっと、シンプルにいうと、
「常に疑問を持ち、勉強している選手」
それとは対照的に、ある程度の実績を残していても、
「言われたことだけをやってきた選手」
言われたことを”徹底的にやり切って結果を出すという能力”に関してはアスリートとして素晴らしいものですが、
やってきた事が全て正解になってしまい、
”指導する選手に自分の現役時代と同じことをやらせる”
傾向にあると思います。
これに関しても、信念を持ってやってきた成功体験を共有するというその人にしかできない指導ではありますが、一歩通行の指導になる危険性もあります。
そう考えた時、指導者としては現役時代に培った「引き出し」が多い方が選手の特徴に応じた指導ができるように思います。
これは、なかなか簡単なことではないです。
指導するということ、教育するということは、
選手とコーチという関係性だけではなく、
学校の先生と生徒、
会社の上司と部下、
もっと言えば親子、
色んな状況において、決して簡単なことではないです。
今記事のタイトルでもありますが、、
選手が現役を引退して、または、引退しなくてもスポット的に、
いざ指導者としてオファーを受けた時、指導者としてどんな指導ができるか?
私自身、チームトレーナーとして現在、様々なタイプの選手と関わる上で、意識している事です。
特に、現在帯同しているチームはいわゆるエリートクラスのアスリートで、今後のキャリアとしてどこかでそういうオファーをもらう機会が多いアスリートというのも理由の一つです。
もちろん、選手各々に素晴らしい個性があり、その選手がもつ考え方や、モノの見方というところを大事にした上で、そういった教育的指導ができるように努めています。
例えば、選手が怪我をした時、
1日でも早く戦線復帰を目指す過程の中で、絶好の教育チャンスが訪れます。
「復帰までの過程(リハビリ)を怠った時の再発のリスク」
「そもそも怪我が発生するまでの過程で防げることはなかったか」
「復帰してから再発予防のために継続していくべきこと」
などを身体の知識、栄養、睡眠、入浴方法、などなど、、
なぜこの治療を今やるか、
なぜこのエクササイズを今やるか、
怪我に対しての焦りや、不安、モチベーション低下などをケアした上で、
この辺りをしっかり教育していくことで、
怪我前よりも患部も頭(知識)も強化された状態で、リスタート切ることができます。
こういった経験が将来、指導する際に、
「トレーナー(もしくは病院や治療院に行って)に早く治してもらえよ!」
から
「睡眠や食事は意識してるか?」
「練習前にどんなことして練習入ってる?」
「その辺をトレーナーに教えてもらってしっかり継続しろよ!」
など、もう一つ踏み込んだ”質の高い指導”ができると思います。
本当は怪我をする前に、そういった大切なことを伝えられればいいのですが、
そういった壁にぶち当たった時、不安な気持ちが強くなった時こそ、成長のチャンスで、
そのような状況の時ほど、より”頭と心に入っていきやすい”のは事実だと感じます。
実際に、現役を退いた選手が学生の指導をする際に、相談してくれたり、もう一度”自分の現役時代の数値などを見返したい”と連絡をくれたりする時には、
「伝える努力をして良かった!」
と思えると同時に、
「その選手(指導者)から指導を受ける学生は羨ましいな」
とか色んな感情に襲われます(^。^)笑
興味を持ってもらうことや、自主的に取り組んでもらうこと、上辺だけではなく本心で感じてもらうことは決して簡単ではないですが、
「こいつが言うならちょっとやってみるか」
と思ってもらえるような人間でいられるために自分自身もまだまだ精進していかなければいけないと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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