スポーツ現場でチームトレーナーとして働いています、中谷大志(鍼灸師・AT・CSCS)です。
今回は地方大会などで、いつものホーム球場ではない場所で試合や練習が行われる際の注意点やアマチュア野球現場での救急対応に関して取り上げていきたいと思います。
いつもマインド的な宗教染みた?記事ばかり書いているのでたまには教科書っぽいことも、、、
とはいえとっても大事なことなので!!
ちょうど6年前にもこんな記事を書いていました。当時26歳、偉そうです。(今もか。。。笑)
今年、新しいチームにチームトレーナーとして加入し、まずは緊急対応の見直しから取りかかりました。とはいえバックボードがチームになかったり、AEDも球場にはあるが、持ち運べなかったり、球場に併設されたロッカーやトレーナールームがなく、緊急搬送時の動線の確認が必要だったりと少し時間がかかってしまいました。
バックボードを購入してもらった段階でチームに講習のような形で、頭頸部外傷の基礎知識や搬送の実技練習を時間をとってさせていただきました。
こんな感じ⇩( 普段とのギャップ作戦?の効果でみんな真剣に話を聞いてくれていました、さすが大企業社会人選手!(^^) )
そんな業務報告はさておき、、
ある地方遠征での出来事をよくある事例として共有しておきます。
前述したように地方で大会が開催される際は、ホーム球場のように事前に整備し計画できるわけではありません。だからこそ下調べを行い、その上で現地で再確認をしそこでの対応はどうするか判断するといった流れになります。
これを確認しておかなければ1000%、事が起きた際に慌てて冷静さを欠いてしまいます。
→主に確認すべきことは以下のような内容
- 搬送器具(担架・バックボード)の確認
- AEDの設置場所、有無の確認
- 近隣の救急対応病院の確認(脳神経外科、口腔外科など)
- 救急車要請時のルート確認
- タクシー会社など救急車以外の搬送方法の確認
- 球場に救急対応できる部屋、場所があるか確認
先日、私が帯同した地方球場での大会での実際を振り返っていきます。
搬送器具としてはチームで用意しているバックボードがあり、前に行なっているチームや大学が準備していなければ有事の際すぐに使用できるように常に球場の横に準備。
病院関連は事前に確認していたのと、地方がゆえに対応可能な医療機関が限られていたので「何かあったらここ」というような感じで、連絡先や球場からの距離などの情報を把握。
アマチュア野球やプロ野球2軍戦での地方球場あるあるのロッカーや控室がなくて着替えるのはテント(丸見え、、)のような環境で、治療処置などの対応は持参している青空の下で折りたたみベット。真夏のためできる限り日陰で風通しの良い場所を探しそこに”いわゆるトレーナールーム”を作る。熱中症などが発生した場合はクーラーの効いた涼しい部屋がないため、最悪の場合チームの荷物車やバスのクーラーを使用するなども視野に入れる。(粘らずに早めの病院受診がベストではある)
そして、ここで問題発生。
命を守るために1番大事と言っても過言ではない!AEDの話です。
現状、ホーム球場には設置されていますが、このような地方遠征時に持ち運べるものは用意できていません。とはいえここ数年は特にスポーツ施設などにAEDが普及されているのもあってほとんどの球場でAEDが設置されています。
ですので、その場所の確認とパッドの有効期限、電源の確認を行います。
ところが、、、
今回使用した球場は見た目で分かるぐらい古く、もしやと思った予想通り、AEDの設置がありません。
施設自体になくても運営側が、、、との期待をしマネージャーに確認の上、探してもらい、、
「ありましたよ!」と。「マジか!よかったよかった、、ん?え?」
埃まみれのAED、、確認したところ期限は2021年、3年前に切れていました。
こういうことがあるのでチームに1台は持ち運べるタイプのものを準備することを強く推奨します!
ないものはないので、その場の最善策として、100mぐらい離れた場所の陸上競技場事務所にあるAEDを使用するプランに変更。その場面になった時に私は手を離せないことを想定して選手数名に「AEDお願い!!」と言ったらあの施設(陸上競技場)の事務所にダッシュで取りに行って欲しい!とお願いしておく。
事前準備も含めて、その現場でできる最善策を準備するのがチーム帯同トレーナーの使命です。
そしてその試合で「頭部死球」が発生。(こういう時に実際、起こるんです、ホンマに)
幸いにもAEDが必要な事態には至りませんでしたが、上記した内容を確認していなければと思うとゾッとする出来事です。
その死球の際に、以前チーム内で講義を行った成果もあって、迅速に選手がバックボードや備品の準備を行なってくれており、私は選手の初期対応、評価に集中することができました。
改めて、アマチュア野球(スポーツ)の場合はトレーナーや医療従事者の人員不足が基本なので、選手や監督コーチ、マネージャー、大会役員の方を巻き込んでの準備が本当に大切だということを再確認しました。
頭での再確認と現場で実際に肌感覚での再確認。
その選手はその後すぐに病院受診し、経過観察、評価をした上で大事には至らず、競技復帰しております。
今回の記事はチーム帯同するトレーナーに必要不可欠なリスク管理の部分を実際に起きている現場のリアルと照らし合わせながら共通してみました。
どこかの誰かの気づきや、再確認になればこの記事を書いた私は本望です!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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