「ただの仲良し」か?「信頼関係」か? ”チームトレーナー”と選手の距離感を考える

チーム専属のトレーナーとして活動しております、中谷大志(AT・SC・鍼灸師)です。

夏の高校野球、真っ只中ですね!

今春、センバツ大会で準優勝した母校は1回戦で負けてしまいました。。。

残念ではありますが、それぞれが色んな角度から感じた、悔しさや達成感などを今後の人生に活かして欲しいです。

私はOBと名乗るには恥ずかしいほど、しょぼい選手でしたので、歯痒い経験の方が多いですが、やはり、当時感じた心の葛藤や苦しさ、楽しさ、複雑さ、本当に色んな事を経験できました。

「あの時良い経験できた!」って思うのはそれが活きた(活きている)と感じた時、それが本当の意味の「経験」だと思います。

良くある試合直後のインタビューなどで「良い経験になりました」ってのは、まだ中身はなくて薄っぺらく感じます。

「良い経験になりそうです」「良い経験となるように頑張ります」が正しいかな〜とあくまでも個人的な感情です。(^_^;)

余談はさておき、、、

今回は

「チームトレーナーとしての選手との距離感」

つまり、”接し方”にフォーカスして想うこと、現場で感じること整理してみたいと思います。

とはいえ、全国各地のチームで仕事をするトレーナーさんそれぞれのスタイルがあるので、その中の”端くれトレーナーのイチ意見”として捉えて頂き、それに興味がある人だけお読みください!笑

この距離感の保ち方に関しては

・チームに属するトレーナーなのか

(例えばそのチーム30名全員を管理する立場)

・その選手個人のトレーナーなのか

(その治療院やジムなどに選手が通っていてそれを受け入れるような立場)

によって、その選手達との接し方は少しだけ変わってくるかな?と感じます。

改めてですが、私自身は「チームに属するトレーナー」(以下:チームトレーナー)という立場でチームに所属する全選手の管理を一任されています。

チーム入団当初に比べれば、私より年齢が下の選手が増えてきましたが、”同世代”の選手が多くいるのが現状です。(同世代=上下3つ違いぐらい?)

特に同世代の選手との距離は近くなるのが自然だと思います。

流行ってたモノ、曲、TV番組、憧れた世代、、、

そりゃ〜めちゃくちゃ盛り上がりますよね!笑

ただし、大切にしたいのはその

「距離感」

です。

関係性が「アスリート」「トレーナー」ということを”忘れたらあかん”ということ。

我々の仕事のひとつに「アスリートに対する教育的指導」が存在します。

少し大げさかもですが、その部分に関しては学校における「教師」と「生徒」のような関係性に近いように感じます。

(一応、高校教師目指してた時期があります、、社会科です、、)

私の場合、よく言われるひとつにこんなニュアンスの言葉があります。

「選手と年齢も近いし距離を近く接してくれていて、選手も話しやすそうでいいね!」

確かに性格上、そんなに厳しく声を荒げてオラオラもしていませんし、基本的にフランク?に接しているので、周りから見ればそう感じるかもしれませんが、決して”距離は近くない”と自分では思っています。

これは、微妙なニュアンスなので伝わりづらいかもしれませんが、、、

要するに、自分の中では一線を引いて接しているということです。

これは、確実に必要だと感じることで、これが曖昧になると「ただの仲良し」になってしまう危険性があります。

かといって、「気安くしゃべってくんじゃねーよ」っていうような一線ではないですよ!

先程あげたような、よく言われる、

「選手と年齢も近いし距離を近く接してくれていて、選手も話しやすそうでいいね!」

そう見えてるのは、自分の中で一線を引きつつも、周りにはそれを感じさせない関係性を保てていることはOKかな?と思います。

ここで、”個人差”というか、”価値観の差” みたいなものが生じるのが、

どこに一線を引くか?

です。

これもまた、微妙なところで伝わりにくいかもしれません^^;

(終始、微妙な内容でスミマセン、ただ微妙な内容ほど伝えたくなるのはなぜでしょう?笑)

わかりやすい(かもしれない)例を頑張って挙げてみます、、、

・”シーズン中”にプライベートで”アルコールを伴う食事”や海山川遊びなどのレジャーへ選手と”行くこと

皆さんの感覚的にどう思いますか?

「それぐらいええやん」「え?誘われたら行くっしょ?ノリ悪ない?」

「友達ちゃうねんからそれはあかんやろ」

そうです、それがどこに一線を引くかの価値観の差です(^^;;

私は基本的に現役選手とプライベートでは関わりません

そういう意味では、自分という人間を100%さらけ出しているわけではないので”ある程度の距離”を保っています。

シンプルに考えると、、

・選手とお酒を飲みに行くか、行かないか?や寮や宿舎などで一緒に飲むか、飲まないか?

答えは「No」です。

「真夏の8月、明日は朝から練習」で昨晩一緒にお酒飲んで、”次の日の練習で二日酔いでパフォーマンスできない”それぐらいならまだしも、”脱水症状で倒れたら”どうしますか?”熱中症で判断力や反応低下しての怪我”したらどうしますか?”海で遊んでて怪我” 責任取れますか?

「昨日の夜の過ごし方、練習への入り方を見直そうぜ!」ってチームに教育的な注意喚起できますか?

ただし、そこは何がなんでも「No」とは言えません。

基本は「No」です。

上記のようなシーズン中、練習前なんかだと100%「No」です。

・チーム単位での祝勝会や納会はもちろん参加しますし飲みます。(ただセーブはします)

・イベントじゃなくてもちょっとした選手同士の集まりに顔出すこともあります。(参加は激レアですし、そこでもセーブはします)

・病院帯同などで時間帯的に食事が必要な時などはプライベートではないという判断でご飯行きます。

何回も言いますが微妙ですよね、、

その時の”状況”とか”時期”とか”関係性”とかによって判断します。

ただ、参加したとしてもそこで、「選手」「トレーナー」という立場が消えることはありません。

「グランドの外ぐらいええがな〜」って言われそうですが、

グランド外だからこそ”何かあった時”に必ず「トレーナー」という立場が問いただされることは予想できます。

やはり、初めに戻るようですが、

トレーナーとして同じテンションでその場に存在していいのか?

を一度冷静に判断することだと思います。

現在、携わってる選手がこれを読んだら「あんたいつも、はしゃいでますやん!」って言われるかもしれませんが、場の空気は壊さず心のどこかは冷静(ドライ)でいます。

自分を律する心が必要です!(トレーナーという立場じゃなかったらそりゃもう、、)

これが私の距離感を保つ ”一線” です!

と今、書いてて思いました。笑

(書き起こすことで頭の整理ができている!目的達成!笑)

選手に対して、地元の仲間や同級生、仲の良い先輩、後輩との同じぐらいの距離感(接し方)で自分を出すことはないでしょう。

そういう意味では、チームに見せる顔は偽りの顔といえるかもしれません。

偽りといっても自分の場合は、8割ナチュラル/2割化粧ぐらいなので”ほぼすっぴん”です(^^)

あと、注意していることは、

「特定の選手と過ごす時間が長くならないこと」

です。

これは最初にあげた「チームトレーナー」か「個人トレーナー」かの違いにあたると思います。

もちろん、一人ひとりの選手に注ぐ情熱と愛情は全力ですが、チームトレーナーである以上、全体を平等にみることは意識しています。

例えば、「レギュラークラスを中心にサポート」や「自分についてきてくれる選手を囲う」などは個人的にNGです。

もし、監督やコーチから「レギュラー選手だけ見てくれ」と言われても、もちろんその選手も見ますがそこは”レギュラーであろうがなかろうが、自分にとって大切な1選手であることに変わりはない”ですし、”現状のレギュラー以外の選手の成長なくしてチームの成長はない”ことを伝えると思います。

大人数いる強豪大学・高校などでそういった状況はありそうですね、、、(憶測です)

故障者のリハビリ期間などで過ごす時間が増えることはありますが、そこに特別な意識はありませんし、故障してない選手を故障させないことにも注力しなければなりません。

その時その時で接する割合は変わっても、トータルすれば”フラット”です。

「個人トレーナー」であれば、”選手がトレーナーを求めてきてくれている”という関係性が多いと思います。

そういった場合、その選手に対して特別にサポートできますし、個人間で「金銭」が発生してることが多いのでまた違った意味での距離感が発生すると思います。

その関係性での”一線”を引く場所は変わってくるでしょう。

長々と書きましたが、一言に「距離感が近い」という言葉でもその中身一つで、

「ただの仲良し」

か、それとも

「信頼関係」

なのか。

一見、同じようでもそこは大きな差があるように感じます!

※ 改めてもう一度、言いますが、この線引きには様々な賛否の意見があるので本内容は完全に個人の見解です(^^)

職業によっては、取引先との飲み会やゴルフなど(俗にいう接待?)が大切な仕事のひとつということもありますよね!

それでもやっぱり、友達と行く飲み会やゴルフなどとは”一線”引いてませんか?

一度、自分ルールみたいなものを整理してみることによって、”一線のひきどころ”が上手くなりその人との距離感を間違えることなく良好な関係性が築けるかも知れませんね!

最後までお読み頂きありがとうございました。

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