痛みとは?〜概論〜

どうも、トレーナーのAmbiです。

トレーナーという仕事をしている方、特に分業されているトップチームでいえばメディカル担当の立場の方々は「痛み」というワードが常に隣にいるような感覚だと思います。

我々トレーナーにとって選手が訴える「痛み」は敵なのか?味方なのか?

そのどちらであっても身近にあるその「痛み」の正体を深く知ることが非常に大切ではないかと私は考えています。

スポーツでは、勝つためには相手を知ること、味方を知ることどちらも大切であり時には味方でさえもびっくりさせてしまうようなプレーが大一番で勝敗を分けることも数多くあり、知ることや知っていることを利用することの奥深さを感じます。

専門家として、何気なく頻繁に使っている痛みという意味を深く掘り下げることによってアプローチの方向性や幅も広がると思います。

では、本題に入りましょう。

 

●国際疼痛学会による痛みの定義

→組織の実質的あるいは潜在的な障害に伴う、あるいは、そのような障害を表す言葉で表現される不快な感覚あるいは情動体験

ニュアンスの違いはあるかもしれませんが私なりの言葉で簡単にいえば、

→実際にどこかが損傷している、または損傷した時のような嫌な感じがある

痛みは本人の主観的なものでもあるので、全てを正確に理解するのは難しいことですが、ひとつの指標として欠かせないものでもあります。

 

●痛みの種類

この痛みはこの種類、としっかり分けきってしまうのは難しく、間違いのリスクもありますが、痛みの種類として大きく分けて3つあります。

  1. 侵害受容器性疼痛 = ケガをした直後に感じる急性痛として異常を知らせる警告の役割
  2. 神経障害性疼痛 = 傷や炎症は治ったが残る痛みで、長く続いてしまうことも多い
  3. 機能性疼痛(心因性疼痛)= 正確な原因が不明で ストレス、性格、社会的環境、恐怖感などが影響する痛み

”急性痛”は基本的に3ヶ月以内の痛みをいい、急性痛が生じた際に適切な処置や治療を施さなかったことや、不安や恐怖などのストレスにより慢性化し、3ヶ月以上続く痛みを”慢性痛”という

 

痛みの目的

なぜヒトは痛みを感じるようになっているのか?(当たり前のようですがあえて書きます、、、)

  • 傷を浅くするため
  • 安静促進し創傷治癒を早める

痛い!と感じればその行動をそれ以上やめる、休憩する、治るのを待つという勝手に痛みができるできないの判断になるようにヒトの身体はできています。これが存在しなければ、身体がボロボロになっても気づかないことになります。

 

●痛みの評価

本人にしか分からない痛みのレベルをできる限り評価するツールは積極的に利用して治療方針や状態の変化に敏感に気づくことが大切です。

以下のようなツールがあります。

  • マクギル疼痛質問票
  • Numerical Rating Scale (NRS)
  • Visual Analog Scale (VAS)
  • Verbal Rating Scale (VRS)
  • Faces Pain Scale (FPS)

 

このような用紙など、ツールを用意して疼痛の評価を行えれば良いかと思います。

現場レベルではこういった指標があることを頭に入れておけば、外傷後の処置の経過観察やリハビリを進めていく際の会話の中で「10段階でどれぐらいの痛み?」「昨日の7と比べてどうなった?というようなの質問を日々繰り返すことによって、治療方法としてその処置が治癒に向かっているのか、悪化しているのか、停滞しているのかの指標のひとつになります。

前述したように怪我の感じかたは個人差があるので例え同じような怪我であっても、違うヒトと比べるのはあまり参考にならないということには注意が必要です。

また、このように痛みの強さや経過がわかるツールを利用して入れば、チームトレーナーとして選手の状態を監督、コーチに報告する際に伝わりやすく非常に役に立っております。その際も「選手Aの痛みレベル5と選手Bの痛みレベル5は違う」という認識を持ってもらうことは必須です。

●痛みの発生原因

刺す、切る、引っ張る、叩く、などの刺激は痛みを起こし、火や氷、塩酸や硫酸などの化学物質に触れても痛い。

日常的に経験する痛みは、皮膚で感じる表在痛の場合が多いが、打撲や骨折・捻挫は刺激が皮膚を通り越して深部での痛みである。

→ 組織に傷をもたらす刺激を侵害刺激という

・痛いと感じた際には必ず、ヒトに存在する痛みを感じとって伝える神経で”電気変化”が存在している

→ 神経で痛みを感知するのは神経の末端でNa+が神経内に入り込み電気活動が開始する

→ これは活動電位の発生といわれる(医療従事者なら生理学の分野で勉強したと思います)

●痛みの伝導と伝達

痛みを感じるときは、原因があり電気活動が始まり、脳で痛いと認識されている

ここからはその流れ(伝導・伝達)の順を追います。できる限り分かりやすくしますが少し専門用語が増えてきます。

  1. 痛みの原因が発生
  2. 原因を神経末端で感知
  3. 電気信号を発生させる(活動電位発生)
  4. 電気が神経線維を伝わり脊髄後角へ入る
  5. 脊髄後角で神経線維を換える(シナプス伝達)
  6. 脳の視床や脳幹に向かって上行する
  7. 視床や脳幹で神経を乗り換え大脳皮質へ到達
  8. 痛みの場所、強さ、不快感などの認識を起こす
  9. 同時に痛みを抑えるフィードバック機構へも伝導している

上記1〜9を鎮痛の観点から単純に考えると、、、

  • 痛みの原因の除去する
  • 神経末端で活動電位の発生を抑える
  • 神経線維を伝導しないようにする
  • 脊髄後角でシナプス伝達を阻止する
  • 身体に備わる鎮痛シムテムを活性化する

などがあげられる。

どのような流れで、痛みが発生し、トレーナーや治療家としてどの段階を狙って鎮痛にアプローチするかをイメージし理解することは、対応や処置がをする上で非常に大切だと感じます。

※痛みの伝導・伝達の詳細に関しては生理学の参考書で復習を!!

今回は痛みというワードの概要に関しての内容でした。

次回、以降は、痛みの中身に関して少しずつ掘り下げていこうと思います。

では、この辺で。