学生や若手トレーナーを悩ます”資格取得”問題に対して現役トレーナーが想うこと(頂戴したDMをもとに)

スポーツ現場でチームトレーナーとして働いています、中谷大志(鍼灸師・AT・CSCS)です。

帯同しているチームもシーズンが開幕し毎日が同じリズムのようで遠征などで微妙に変則になったり、「何かわからんけど疲れてる」そんな時期に入って、”自分自身を奮い立たせる何か”を強く持っていないと時間だけが過ぎていきそうで怖い、、、そんな感情と共に奮闘中の今日この頃。。

名前が通る有名なチームというか、なんというか、たまたま縁あってそういうチームで仕事してるということもあり、多少なりと学生の方や、そういう業界で仕事したいという方から質問を頂きます。

その内容が良いとか悪いとかではなく、それに対する私自身が想うことを今回の記事では書いていこうと思います。

表題にも入れたように「資格取得」に関する問題です。

私は以下の3つを取得してチームトレーナーとして働いているトレーナーです。

・鍼灸師(国家資格)

・アスレティックトレーナー(JSPO:日本スポーツ協会)

・ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)

よく言われる(考えられる)のが資格によって得られる他者との”差別化”です。

大まかにでも「何がしたいか」「どうなりたいか」で取得すべき資格が決まるのは大前提ですが、よりその現場(仕事)に近づくためにプラスアルファ何が必要かというところに焦点が集まる傾向があります。

話が少しそれますが、私自身が資格取得を目指して専門学校を選択時の実際の流れは、、

「アスリートのトレーニングや怪我人のリハビリなどができて可能性を引き出したり、パフォーマンス向上に携わるような仕事がしたい」という動機からでした。

フィットネスジムでのアルバイトをしていた事もありトレーニングの勉強を独学でスタートさせていたので、話を聞く中で「チーム帯同にはアスレティックトレーナー(AT)という資格が必要とされることが多い」という情報を得てATを知り、さらに「鍼灸師、柔道整復師、理学療法士などの医療資格との組み合わせの取得者が求められている」という情報から上記3つの取得を選択しました。

分かりやすく言えばAT取得を目指して、ATのみ取得者との差別化を図るために鍼灸師という医療資格を取得し、スポーツ現場での各種対応+治療というスタイルでチームトレーナーを目指すというプランです。

実際に「AT×鍼灸」という組み合わせの需要から仕事をもらえてキャリアをスタートし現在に至ります。

現場に働き始めると、できる(やっていい)内容が少し違うだけで、チームトレーナーとしてやるべきことはそんな少しの違いにこだわる以外にもっともっとこだわらなければいけない事が見えてくるのが本音です。

私自身の話はキリがないので、この辺で終わっておきます。。。

SNSのDMで頂戴した学生さんからのご質問で、

「将来SCとして活動したいと考えていますが、ATの資格は必須でしょうか?」

という内容でした。

メチャクチャ簡単に触れておきますが、、

SC:ストレングス、コンディショニングをトレーニングによる強化でパフォーマンス向上や怪我予防、回復などを専門とする担当しトレーナー

AT:怪我の応急処置、テーピングやエクササイズによる予防、その他、スポーツ栄養、スポーツ起こりえる内科疾患、など幅広くスポーツ現場での対応を専門とするトレーナー

もちろんこの両者の仕事がリンクする(重なる)部分は多くありますが、突き詰めていくと専門的なとこでは「同じものを違う方向から見ている」ような表現がわかりやすいかなと思います。

先ほどの質問に対して、現在SCやATもしくわそれ以外でスポーツ現場で働いている方々はどう答えますか?(シンプルに興味あるので教えてください!笑)

私はこんな感じて返信させてもらいました。

「SCとして活動していきたいなら必須ではないです。ただ現場としてATを取得できる環境にいるなら挑戦しても良いかなと思います。理由としてはチームに携わるチャンスがきた時にATも取得しているのであればリコンディショニング(アスレティックリハ)のところも任せられたり、応急処置の部分で現場を任せられるといった他のSCとの差別化にはなるかもしれません。あと私自身の経験則にはなりますがメディカル的(AT)観点とストレングス的(SC)観点からの思考を持てるのは強みになる場面があります」

→あくまでもこれは相手の需要次第の話にはなりますが、そういう案件もなきにしもあらずかと、、

この件に関して質問者の方は、「現在ATを取得できる環境ではないため、SCとして勉強を続けていく」とのことでした。その道1本で勝負することももちろん素晴らしいことですし、むしろそちらの方がスペシャリストとしての信頼度が増す場合もあります。

やりとりの中で追加的な質問として頂戴したのが、、

「SCとして他との差別化を図るために何が必要か?」

これは、SCだけに限らず、他の資格取得を目指す学生さんや若手トレーナーに陥りがち感情なのかも知れません。決して他に興味を持つことは悪いことではありません。

以前の登壇させて頂いたオンラインセミナーでも「今注目している資格とかありますか?」的な質問に対してお答えしたのですが、、、

ひとつのこと(資格取得など)を勉強していると色んなことに目移りしてしまって、その時の流行りみたいな「〇〇式」「〇〇流」などの一見すごく新しくて何かに特化したことを人と違う知識や技術と勘違いしてしまい、それが差別化みたいな感覚になりがちです。

そういう時によく話させてもらうことは、まずはその資格(専門分野)に関しての基本的な部分を突き詰めること。特に学生のうちほど。

例えば、同じスクワットというトレーニングを指導するにしても、そのトレーニングに対してどこまで突き詰めて指導できるか、といったところです。

色んなトレーニング方法を知っていてもそのひとつひとつに対して細部まで突き詰められていなければ専門性は低く、そのレベルではこの時代において検索ひとつで大量に出てくるので専門家としては埋もれます。

昨今、存在するさまざまな資格に関しても、取得した時点では資格という器(うつわ)をGETしただけなので、その後に色んな失敗や成功などの経験を得て器に何を詰めていくかでその資格の価値、そのトレーナーの価値が生まれていくと思います。

ですので、まだ器にほとんど何も入っていない、もしくは器さえまだもらっていない段階で他の器、次の他の器などと色んなものをGETしにいってもただの荷物になってしまう可能性もあります。

得意の遠回しになりましたが、

結局、基本的なことをどれだけ突き詰められるか、大切にできるか、こだわれるかが一番の差別化だというのが私の答えです。

ですので、私は飛び道具的な武器は持たずにここまできました。

ゴッドハンドも魔法みたいな治療もこれさえやればトレーニングも持ってないただのトレーナーです。

相手の話を聞いて、相手の動きを見て、最後は本人の納得する方法、方向性で力になれる事に全力を尽くす。そういうスタイルです。

そうやって仕事してく中で、自分の考えと一致する理論や方法を拾っていって自分の器に詰めていくというのが自分的は腑に落ちるので、日々いまだに試行錯誤です。

なんとな〜くでも私の言いたいことが伝わっていれば幸いです。

もう少し端的に分かりやすく伝えられるように努力しますね、、

(だいたい、長過ぎて質問の返事とかしてもその後やりとりが終了したりするので、、笑)

話長い、やかましいだけのオッサンにならぬように精進します。笑

でも言いたいことが年々増えんねん!(^_^;)笑

最後までお読み頂きありがとうございました。

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