ベテラン選手がもつ”言葉のウエイト”

スポーツ現場でチームトレーナーとして働いています、中谷大志(鍼灸師・AT・CSCS)です。

野球界では、WBC決勝トーナメント、選抜高校野球、プロ野球開幕と球春到来といったシーズンインの季節になってきました!

花粉症と春の心地良い暖かさで常に眠い、、季節でもありますね (_ _).。o○

我々のように野球界で働く人間は1月スタートですが、一般社会的には卒業シーズンでもうすぐ入社、入学といった新たな門出で緊張したりする時期でしょうか?

私自身も数年前に会社へ入社した際には4月1日に新入社員が集まりました。

職種上、そこまで大規模ではなく、顔合わせといった感じでしたが、予定になかった新入社員代表の挨拶をその場でふられていきなり社会の厳しさを突きつけられた記憶があります^^;笑

持ち前の”頭の”瞬発力でなんとか乗り切りました。

(当時のマネージャーに声が大きいことを褒められました。笑)

余談はさておき、今回のテーマに入っていきます。

今回はいつものように?持論をつらつらと述べるのではなくスポーツ現場でよく起こる現象を挙げてみたいと思います。

いわゆる、スポーツ現場あるある。(早く言いたい〜♫)

ズバリ!!

「ベテラン選手(歳上選手)がもつ、言葉のウエイト(重み)」です。

先日、軟式野球の企業チームでプレーしている知り合いから肩の痛みに関しての相談や、今春進学して野球を続ける高校生から腰痛の相談などを受けたりして、せっかくなのでインスタグラムでリコンディショニング(予防も含む)エクササイズのをUPしました。

その投稿に、以前所属していたチームのベテラン!?(31歳)選手が反応してくれました。

以下、言葉を借ります。

自分の時間をどう使うかはすごく大事。僕は練習前に肩、腰のコンディショニング、ストレッチをしてから入ります。これを続けてきたから身体にアンテナが張れるようになってきました。何かにアンテナを張れるようになるには意識的に行動してそれを続ける必要があると思います。これをやったから偉いとか、上手くなるってことではないけど、「気がつく」「予防ができる」ってことに繋がるし、その部分はとても重要だなと思っています。

この社会人野球選手の捕手で、社会人野球チームは選手の人数も限られ(必然的に捕手は3人程度)、ブルペン捕手などのスタッフもいないので投手の球も受け続ける必要があり自分の練習も含めると、プロ野球のように毎日が試合がなくともハードワークになります。

その中で、幾度ととなく身体の問題に悩まされてきました。(プレーを続ける限り隣り合わせか、、)

私自身も、選手の立場や意志、チーム事情、スタッフの意向、専門家としての意見、色んな条件を鑑みながらその都度ベストな答えを共に模索し続けて提案を繰り返してきました。

どうにかしたい!力になりたい!と思いながら仕事をする時間が増えるほど、トレーナーは成長すると感じています。(楽すなってこと、、)

共に苦労した時間もあったり、口酸っぱくチームに浸透させたいと思っていたことが先ほどあげた「選手の言葉」に集約されていて、嬉しいというか、感動というか、達成感というかなんとも言えない感情が溢れます。エモいです。

一見、練習前にストレッチやエクササイズをするのは普通に感じるかも知れませんが、そこに「意識」が入るだけで”やる意味”が倍の倍ぐらい上がります。

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現在、所属するチームでも今年も新人選手が数名入団しました。

2月のキャンプが終わりチームの流れも掴めてきたところで良くも悪くもチームの雰囲気になんとなく合わせた行動になりがちです。

彼らにも色んなバックボーンがある中で入団し、私もトレーナーとしてコミュニケーションをとりながら動きや人間性を観察していました。

実際にマンツーマンでセッションができる時間には、なるべく分かりやすく、重要なことは頭に残るように「自分の身体を知ってもらう」ように工夫しながら接することを心がけています。

今、現在、痛くなかったり異常がない身体に対して意識を向けることがなかなか難しいのは承知の上ですがそこをどう意識を持ってもらえるかが我々の大事な仕事でもあります。

→「リハビリ・予防」と「強化・パフォーマンス向上」がいかに表裏一体であるかを伝える努力。

そんな中で、先日あるルーキー選手に対して現状の身体評価をし、2月のキャンプ時から変わってないこと、変わっていることを説明して、これからシーズンインするにあたって気をつけるべきことを具体的に提案しました。

セッションの終わりに、その選手が「これとこれ、毎日やります!」と。

本人にとってそれが自分の引き出しになって、自分の身体を把握するアンテナになって欲しいし、今後の彼の行動を見守りながら修正やレベルアップのための軌道修正に手を入れていきたいと思います。

ここまでは、よくある流れですが、ちょうど良いタイミングでベテラン選手が同様のエクササイズをおこなっていました。

この上ない、お手本中のお手本でその選手を呼び戻し急遽、見学会開催です。

(WBC日本代表投手陣がダルビッシュ投手のブルペンをみんなで見学していたように)

エクササイズを行いながらベテラン選手に「こういうことは本来、全員やるべき(やらせるべき)だ」と。

「提案までは積極的にしていますが、身体の不調がない中で”丁寧に意識を持って続けられる”選手は少ないですね」と正直に伝えました。

実際にチームメニューでも数種類のエクササイズがローテーションで組まれています。

その見学会だけでなく、しっかりとルーキー選手に対して「言葉」もかけて頂きました。

「肩(身体)の痛みは突然やってくるからね、痛くなくても毎日必ずこうやって確認したほうが良い、1日2回、投げる前と投げた後やるのが大事」

シンプルな言葉ですが、我々トレーナーが放つ言葉と、実績を積み重ねてきたベテラン選手が放つ言葉では言葉のウエイト(重み)が全然違います。階級違いです。

このようにチームで働いているとベテラン選手の言動に助けられる現象が時折おこります。

裏を返せば、ベテラン選手の言動次第でそれが良くない方向に働く可能性もあります。

強いチーム、雰囲気の良いチームに必ずそのチームの象徴となるようなベテラン選手が存在すること、そういった選手が与える影響の大きさをチームスポーツの現場で働き続けていると、ひしひしと感じます。

一昔前のような上下関係がなくなってきている風潮の中で、こういった良い意味での縦社会はしっかりと受け継いでいき、チームの伝統して残っていって欲しい限りです。

前半にあげた社会人野球チームの例でも、【練習前にそれぞれでやっている選手が多い】とのこと。

引き続き、選手のアスリート人生において少しでもプラスの影響をもたらす存在でいられるように日々精進して参ります!

最後までお読み頂きありがとうございました。

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