チームトレーナーとして飯を食った1年間を経て

どうも、トレーナーの中谷大志です。

様々なスポーツが佳境に入ったりウィンタースポーツが開幕したり、面白い時期になってきました。

自己紹介でも書いているように、現在、ひとつのチームに常駐する、つまり、つきっきりのトレーナーとして働いています。

私自身キャリアとしてまだまだ浅いので2018年の今シーズン初めて年間を通してひとつのチームに帯同しました。

トレーナーとして、様々な働き方がある中で、このようなスタイルで仕事することにもちろん一長一短あるとは思いますが私自身この働き方を、専門学校時代から意識して学んでおりました。

昨年の今頃、この話を頂いた時には嬉しさと責任感が半々というよりも両方いっぱいいっぱいといった気持ちでした^^;


1月よりシーズンインし、キャンプ、地方大会、全国大会など本当にあっという間の1シーズンでした。

やはり、初年から全てがうまくいくことはありませんが、自分がやってきたこと、コツコツと準備していたことが通用すると感じた事も多々ありました。

私自身「経験が大事だから若い人には任せられない」というようなニュアンスの一般社会で聞く言葉にはすごく違和感があります。

もちろん、経験がある人間とない人間がいればあるにこしたことはないですが、問題はその中身が重要だと思います。

経験、経験と口癖のように発する人の中には、自分の考えのみを通し続けて「俺は今までこうしてきたから」「俺はこれをやらせたから」という責任を持っているようで無責任に年数だけが重なっている場合があります。

↑このような言い方をしてしまうと角が立つかも知れませんが色々な会社の上司にいるのではないでしょうか?笑

トレーナーとしてこれは絶対に意識しなければいけないと思っていることのひとつに”一方通行にならないこと”があります。

一見シンプルなことでもう少し簡単に言えば、”結果を見ること” これは毎日同じ選手相手にトレーナー業をしていると慣れが悪い方向に転じて疎かになりがちです。

例えば、治療を施した選手の治療後、翌日の評価、その日のトレーニングに対する選手の感覚、長期的なコンディショニングの感覚など、トレーナー側からアプローチしたことに関して、選手はどう感じてどういった変化があるのか?もしくはないのか?といったところをしっかりとフィードバックしないと”一方通行”になってしまいます。

この”一方通行”を経験として積み重ねてきた指導者やトレーナーほど間違った自信を持ち「選手は俺が育てた」感が強い印象があります。

選手も上のレベルになればなるほど、表向きの発言や振る舞い以外のところで、指導者が選手を見ていない事、選手のことを考えていない事に気づきます、裏を返せば考えてくれている指導者やトレーナーにもすぐ気づきます。

全て選手の意見が正しいとは言いませんが、グランドでプレーをするのは選手自身であるがゆえ選手の考えを理解して尊重するのは俗にいう甘やかしではなく、お互いの信頼関係に繋がると感じます。

そして、指導者やトレーナーにとってその選手の意見そのものが自分の指導者・トレーナーキャリアにとっての財産であり最高の教材でもあります。それを積み重ねることが中身のある経験だという思いで取り組んでおります。

そして、もうひとつ与えすぎないことも意識していることのひとつです。

前述した一方通行が原因となって意思疎通ができずオーバーワークや意図がわからないままやらされる練習が増える”与えすぎ”や、指導者側のやりたいことや教えたいことがメインなってしまうことでの”与えすぎ” などがあります。

身近に起きがちな一方通行による与えすぎの例をひとつ。

・服屋さんで服を選ぶ際に、Tシャツを探してるからといって店員さんがこちらの意見や話をあまり聞かず客の欲しくない色や予算外の商品をおすすめする

→この場合、もちろん買う気を起きず、この店で探すことさえやめたくなる

・少し気に入ったTシャツを手に取ったり、試着や鏡で合わせているのを見て、店員さんがそのTシャツに似た違う商品をいくつか持ってきて紹介する

→この場合、選びやすくなるし違う発見もあり、この店でもう少し選んで良ければ買おうとなる

アパレル関係の方には失礼かも知れませんが身近でよくあるこのような状況は、トレーナーも他人事ではなく、相手が求めていないことや必要性を感じていないことをすすめられたり、やらされたりすることは続かないし続けても結果が伴わず時間の無駄になりかねないと思います。

もちろん綺麗ごとばかりではなくどうしても、選手がやりたくないことをやらせる場面もあります。その時にはなぜそれが今必要なのかを伝えて、”やりたくないこと”から”やりたくないけど必要なこと””やるべきこと”という理解に持っていく説明やヒントを与えることが、トレーナーや指導者の腕の見せ所だと感じます。

服屋の例で話を戻すと、全く買うつもりのなかった色の服を買ってしまったけど次これを着るのが楽しみといった感覚を経験したことがある人は多いかと思います。

これは必要性を感じていなかったものが何かしらのアドバイスや説明に納得し、自分の中で”必要性のあるもの”という理解に変わったから購入したという結果になったはずです。

ですので、選手に分かってほしい、やって欲しいということがある場合には、ただメニューや知識を与えるのではなく、それが必要と理解してもらうアプローチが必要です。

選手が自ら取り組み始める、取り組む方法の相談に来る、結果としてこうなってくれば継続もするし、目的のある取り組みになり結果にもつながると信じています。

1年間通して、もちろん知識や技術の足らない点はありますが、一見当たり前のように感じる”間違っていると感じても選手やコーチの話をよく聞くこと” ”選手やコーチが何を求めて何を考えているのかを理解すること”の大切さ、深さを学んだように感じています。

そのための、伝え方、立ち位置の取り方が今後のトレーナーとしての課題だと思います。

もちろん知識や技術のレベルアップは大前提です。

来シーズンも同じチームで働かせて頂くことに決まり、すでにチームとしての課題が山積みで準備に取り掛かっております。

まだまだこの仕事で飯を食っていけるように、この仕事の必要性を理解して価値が上がるように。

真摯にコツコツとやっていきます。

アスリートファーストの想いを胸に!!

では、この辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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