鍼灸師×アスレティックトレーナーが専門学校で感じた違和感、「それは一体、何のために?」

さいたま市でチーム専属アスレティックトレーナーをしております、中谷大志です。

今回は、私自身が専門学生時代に感じた違和感に関して書いていきたいと思います。

大阪にある、大阪ハイテクノロジー専門学校の鍼灸スポーツ学科で学び”鍼灸師””アスレティックトレーナー”の資格を取得しました。

専門学校で学んだことは以前の記事よりどうぞ!

この時から学びは東京ドームから、、、

アスレティックトレーナーの資格を取得する上で、認定試験を受ける条件として、各ジャンルのカリキュラムの受講とアスレティックトレーナーの現場実習が必要でした。

学校と協力提携して頂いているスポーツチームや施設のアスレティックトレーナーの方々のもと、実際の現場を肌で感じて学ばせてもらえるのは今となってもすごく大きい経験です。

(いつか私もその場を提供する立場として学生に何かを伝えることができるように日々成長しなければ、、、)

そんな学生時代に、私を含め多くの生徒が、授業終わりや休日に、スポーツ現場へ行って実習していました。

学生ですので、選手にテーピングを巻いたり、ストレッチをさせてもらったり、リハビリ補助をさせてもらうためには、トレーナーの方に認めてもらうことが条件です。

実習先のトレーナーさんの指導方法によりますが、トレーナーさん相手にテーピング技術や怪我の評価をテスト形式で行い合格できれば、

「この選手の足関節テープ巻いていいよ!」

といった感じで経験値を得ることができるようになることが多かったため、学校内では何としても”その合格を得るため”に必死になってテーピングの練習をしていました。

早々に合格する人、なかなか合格できない人、テーピング技術には手先の器用さから得意、不得意があるのは当たり前で ”差” が生まれます。

「あいつのテーピングはすごい」

「早く合格もらったからすごい」

「あいつはまだ合格してないからドリンク係しかやってない」

日々そのような”差”を意識する雰囲気があった記憶があります。

ここで私が疑問を感じていたのは、、

『実習先でテーピング試験に合格することが目的になってないか?』

ということでした。

もちろん、実際のアスリートにテーピングを巻く許可を得るために試験に合格が必要なのだから、それに対して頑張るのは何の矛盾もないのですが、テーピングを練習する目的自体がそこになってしまうことに対する怖さ みたいな感覚が生まれていました。

私も、高校大学でやってきた野球の練習に比べれば!と、根性を入れて練習に練習を重ね上手にテーピングができるようになり、周りから「教えて欲しい」と言われたり、同じ学科の後輩に教える機会などもあったり、、、

テーピングが綺麗に早く巻けるだけで何か少しだけ立場が上になるような状況が気持ち悪いと感じていました。

というのも、テーピング技術というのは、アスレティックトレーナーが選手をサポートする”手段”のひとつに過ぎないわけで、テーピングが上手い=良いトレーナーという感覚は間違っていると思っていました。

私自身、大卒後の入学ということもあり、良い意味での「焦り」から、できる限り3年後(卒業予定後)すぐに現場に出ても怯まない準備をする事が自分のモチベーションでした。

そのためには、日々の授業や現場実習、フィットネスクラブと整骨院でのアルバイトの全てを、専門家(プロ)として働いていることを”よりリアル”にイメージして勉強することが必要だと感じ、そこを強く意識していました。

ですので、決まった手法のテーピング技術ひとつでアスレティックトレーナーの学生としての良し悪しの評価をするのは感覚的に”リアル”から外れていたのだと思います。

(そこまでテーピング技術を極められれば他のことも極めるメンタリティがある=トレーナーとして伸びしろがあると判断するのは一理あると思いますが、、)

アスレティックトレーナーとして働くには、テーピングが必要になっている原因を評価することそもそもテーピングが必要にならない機能を得るためのエクササイズを考えること、その他 色々な要因を視野広く考えていく必要があります。

そのためには、解剖学、機能解剖学を中心に日頃勉強している内容を繋げることが必要不可欠です。

当時の学生でテーピングを上手く巻いていた人でも、そのテーピングの1本1本は「何のために」巻いているかを自分の言葉でアスリートが納得する説明ができたかどうか?がスポーツ現場で遭遇する”リアル”であり重要な考え方だと思います。

このテーピングの例は当時、一番顕著に感じていた違和感であり、その他に関しても一緒だと思います。

テストで点数を取るために勉強をして参考書の内容を覚えるのか?

実習現場で起こっていたことや聞いたことに対して自分がその対応を迫られたイメージを沸かせて、参考書の内容を覚えるのか?

上記の両者がテストの点数が同じであってもアスレティックトレーナーとしての実践力、対応力が両者とも同じであるかは「?」です。

実際の実技試験でも評価基準があるのである程度儀式的にやるべき部分が存在するのは否めませんが、、、

その資格試験対策として、怪我の評価やエクササイズの指導の実技練習に取り組むのか?

被験者をスポーツ現場のアスリートと想定して、自分の考えや勉強したことを自分なりの言葉で絞り出すような実技練習に取り組むのか?

結果として、両者が同じ怪我の評価やエクササイズを導き出せたとしても、いざ現場で遭遇した時の落ち着いた行動や、冷静な判断が両者ともできるかは「?」です。

私自身も当時のトレーナーさんに信頼を得るためにトレーナー業務以外の「いわゆる雑務(雑用)」も徹底的に行うなどアピールをして、もちろんテーピング技術やその他の専門知識を言葉にして説明することなども必死に頑張って、学生ながらたくさんの選手と関わるチャンスを頂きました。

雑務に関しての記事はこちらから。

当時、チームの方からよく「どこかで働いてたの?」「何か堂々としてて頼もしいね」「いつも冷静な感じだよね」などと言ってもらえることが多かったです。

もちろん、ただの学生ですのでアスリートやトレーナーさんを前に何かをするときは、内心はビクビクで不安だらけの状態でしたが、

常日頃の「何のためにやるか?」といった目的意識を”リアル”なところに置いて学生なりにできる範囲の準備できていたからこそ、そういった”落ち着き”のようなものを出せていたのかも知れません。

それでも初めてアスリートに巻かせて頂いた足関節テーピングは未だに覚えています。

それほど緊張した事、その選手がテーピングに対して非常に厳しい選手だったことから「1発目がこの人か、、(・_・;」と相当ビビったことも含めて覚えています。。笑

結局何が言いたいかというと、どの職に対しても当てはまることだと思いますが、何かを勉強したり資格取得を目指す時に、

「目的設定をしっかりすること」

その知識や資格を取得することが目的なのか?

その知識や資格を使って誰かをサポートするのが目的なのか?

ウンチクに強くなりたいのが目的であれば前者で問題ないと思います。

仕事にしたいのであれば、後者です。

何度も言いますが ”よりリアル” な目的設定が絶対に必要です!

「一体、何のためにやるのか?」

そこを忘れないように、たまに一歩下がって自問自答してみるのも良いかも知れません。

これは、あくまでも私自身が、専門学生時代に感じたことなので考え方は人それぞれあると思います(^ ^)

普段何気なく儀式的にやっている事も、もう一度 ”やっている理由”を考えてみるのも何か気づけることがあるとかも知れません。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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