チームトレーナーとして意識していること

どうも、トレーナーの中谷大志です。

まだまだ経験年数としては駆け出しですが、現在チームトレーナーとして働く中で意識すること、意識しなければいけないことを自戒を込めて書いていきたいと思います。

働いている環境の背景

  • チーム常駐(基本的に毎日みれる)
  • 1人体制のため、治療業務、AT業務、S&C業務全てを担う
  • 選手は約30名ほど(妻帯者以外は寮生活)
  • 選手はアマチュアの中ではハイレベルアスリートが揃う

非常にざっくりですが、このような背景の中で役割全てをまとめてトレーナーという名称でチームの一員として働かせて頂いております。

自分の中で一番大切だと思っていることは、ごく当たり前ですが”アスリートファースト”です。専門知識をもったりある程度の経験を積んでいく中で、例え善意であっても自らの意見や経験則のみで知らず知らずのうちに押し付けてしまうことはアスリートにとって不快であると思っています。

これを気をつけるために大切になってくることが”コミュニケーション”だと感じます。まずは、選手を「よく観察する」「よく話を聞く」ことから、その選手の考えや、心情、チームでの立場をよく理解すること、その上でトレーナーとしてまずは選手の意見を尊重して寄り添う、もしくは軌道修正できるような提案をする。

ここでの寄り添うというのは、つきっきりということではなく選手を否定せずまずは課題に対して並走してあげる、その中で「背中を押すのか」「ブレーキを促すのか」「意味のあるまわり道や寄り道を提案するのか」などをともに考えていくことです。ハイレベルアスリートでも学生よりで自分で判断できない選手もいれば精神的に成熟しており考えがはっきり言葉にできる選手もいます。

どちらが良くて、どういったアプローチが正しいのかは答えは誰も分からないものなので前述した”コミュニケーション” を通じて見極めてくことが非常に大切です。

常に選手を観察できる常駐トレーナーの良さでもありますが、そこをなんとなくの感覚で行ってしまうと、毎日みれることが逆に細かい変化に気づけないことにも繋がってしまいます。面倒でも毎日感覚に頼らず数値にできることを積み重ねることで気づくこともあります。何事にもメリットとデメリットは表裏一体だと感じます。

寄り添うという表現に繋がることかも知れませんが、”明らかに間違っていてもすぐに否定しない”ことも意識する点です。よくあるケースとしては、SNS等で得た知識や方法(トレーニングなど)を試し「これ野球に必要な筋肉に良いんですよね〜?」と聞いてこられることです。専門家としては、自身が何を考え、何のために、そのメニューをどういう使い方でなど色々と引っかかることが頭の中を駆け巡りますが、まずは選手が「身体に関して興味を持ったことに対して尊重する」、その上で気をつけなければいけないリスクのみ説明して一度、選手の思うようにやらせてあげる。

だいたいその流れで促すと、次の課題や上手くいかないことに対しての相談にくることが多い印象です。そこでトレーナーとしてその選手に対して考えることやプランを説明して選択肢を提示してあげる。あくまでも選択肢なので「これやっとけば間違いないから!」は危険だと思っています。それも選手のタイプがあり中には、強制のような形が合う選手もいますが、できる限り自発的な要素が多ければ多いほど質の高い取り組みになると感じています。

あと、”立ち位置”という点でトレーナーは非常に難しいと感じる場面が多いです。監督コーチ、スタッフの考え、選手の考えをリアルタイムで聞けるポジションでもありどの立場よりも「人間性、人間力」が必要になってきます。時には選手に対してきつい言葉もかけなければいけない、時にはスタッフに対して意見や提案をしなければいけない、そういった時に「この人が言うなら、、」と受け入れてもらえるかどうかは100%に近い割合で普段の言動だと感じます。

その際には”伝え方、話し方”として同じ内容を伝えるにしても相手の気持ちやモチベーションをいかに保つ、もしくは相手の気持ちを上げながら自分の想いを伝えられるかが非常に重要だと思います。この件に関しては前回の記事、人に何かを伝える、人を動かすという事 でも少し書いています。

人として尊敬されない、不信感をもたれることがあってはどれだけ正しくベストなアプローチができてもほぼ効果0になってしまう、今まで専門家になるためやスポーツ選手に対してプラスの存在になるために、高いお金や時間を費やして得た知識や資格スキルが通用しないことほど虚しいことはありません。

そうならないためにも、真摯かつ情熱を持って全ての人に接すること、まずは相手をリスペクトすることが大切だと思います。

人間性や人間力を認めたり評価していただくのはあくまでも他人なわけで、これは意識して取り組むことと言うよりは、日々の取り組みや目の前の課題に対して一生懸命取り組むこと、そのひとつひとつの積み重ねが評価に繋がるということだと思っています。

意識していること〜まとめ〜

  • アスリートファーストの心
  • 観察や聞くことによる気づき力
  • コミュニケーション力
  • トレーナーとして立ち位置の確立
  • お互いが気持ち良くなる伝え方、話し方
  • 相手をリスペクトする心

いざ、ひとつずつ挙げて見ると一般的に思いつくような事だらけで、「なんや、普通やん」て思うかもしれませんが普通の事を高いレベルで行う努力、すなわち”当たり前のレベルをあげる” この意識が全てに通ずる事だと思います。

これは学生時代インターンシップでいっていた社会人アメフトチームが日本一になった年に練習前後のミーティングで常に飛び交っていた文言で今も心に留めているパワーワードです。

まだまだ、分からない事の方が多く勉強の日々ですが、こういったベースとなる概念的なところはブレずに必要とされる存在を目指して取り組んで行きたいと思います。私たちはチームとして競技スキル以外のプラスアルファの存在である反面「あなたはチームにとって必要じゃない」と思われた時は仕事がなくなる時です。

自分の意見を通すべき場面も選手の意見を代弁しなければいけない場面も頑固さももちつつチームとして円滑に課題解決、目標達成、目的達成の力になれる良き専門家として長く携わっていきたいものです。

では、この辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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