スポーツ現場でチームトレーナーとして働いています、中谷大志(鍼灸師・AT・CSCS)です。
今回は実際に働いていて感じたことを率直に書いていくコラム的な内容でいってみようと思います。
現在私の立ち位置(ポジション)としては、勝負の最前線にいるトップチームではなく、トップチームを目指す若手選手、入れ替えの激しい中堅選手、ここぞの出番に照準を合わせて調整するベテラン選手、故障からの復帰を目指す選手などが入り混じって、それぞれの立場で色んなモチベーションの中で日々を過ごしてる、そんな環境にいます。
普段は、こういった立場にいる選手を相手に仕事をしていますが、時折、遠征や試合日程の関係でトップチームの選手がこちらの練習に参加したり、こちらの施設でトレーニングを行うこともあります。
私自身、現在に至るまでも、チームトレーナーという仕事をする中で、たくさんのアスリートに出会って色んな気づきや、思考をアスリートから学ばせて頂きました。
中でも、社会人野球の選抜チームのトレーナー帯同などは自チーム以外の選手や指導者と関わる良い機会ですごく視野が広がった経験があります。
ですので、普段関わりが少ないトップチームで活躍する選手との対話は自分にとっても、その後に若手選手や悩める選手と関わる際に引き出しのひとつになる可能性が高く、非常に貴重な時間だと感じています。
あるいわゆるトップチームで活躍している選手が「この後ウエイトトレーニングやるので見てくださいよ!」と声をかけてくれたので、見させてもらいました。
もちろん普段から継続的に見ているわけではないので、「安全管理」がメインで、自分が勉強させてもらうことも含めて色々と聞きながらのセッションになります。
そもそも、どういうルーティーンで行っているか?
それはどういう目的で、どういう意識で取り組んでいて、実際の感覚はどうか?
週1回の登板を任される投手だったのでざっくり週の流れを聞くとこんな感じ。
(※他にチームのメニューもあります)
①試合登板
②OFF
③有酸素
④ウエイト
⑤瞬発系トレ
⑥ブルペン コア系
⑦最終調整
→週や日程によって変わってくるので一例に過ぎませんが、その日はウエイトをする日。
話を聞いていると以前は調整メインだったウエイトトレーニングを今年から肉体改造(この選手の場合は肥大、筋肉量UP)に取り組んでいるとのこと。
肉体改造というと、めっちゃ追い込んで、めっちゃ食べて、といったイメージがあるかも知れませんがこの選手の場合は試合で結果を求められ続けながらの取り組みになります。
さらに深掘りして聞いてみると、、、
フィジカルトレーニングやスキル練習(ピッチング練習など)で避けられない疲労に対する考え方がピカイチでした!
ピカイチと感じたのは、ゴリゴリに追い込めないからこそ、週の「ここはこれぐらい疲労があってもいい」とか「この時点でこれぐらいの張り感がないとダメ」とか「ここでコレをしないと間に合わない」とか疲労とフィットネスのマネジメントが感覚的にできていました。
つまりは、疲労を管理しながらシーズンを通して右肩上がりに強くなること。
疲労による大きな好不調の波をできる限り作らないこと。
まさに、私自身がシーズンスポーツこそ意識してプログラムするべきだと感じている「フィットネス-疲労理論」に基づいた考え方、そのもので非常に驚かされました。
「フィットネス-疲労理論」についてはこちらの記事からどうぞ↓
(一流と呼ばれる、それ相応の結果を残している選手には理由があるのか、、、と)
もちろん彼に携わる色んな方からの指導ありきだとは思いますが、話の中で「自分が育成選手や高卒1年目ならこういう方法をとりますね」とか今置かれた立場を理解した上での言葉だったのでより感銘を受けました。
やはり、最前線に立っている選手や、色んな経験をした選手にしかわからない感覚があり、もちろん選手によっての違いもあり、やっぱりアスリートは面白いなぁとも感じました。
冒頭にも述べましたが私自身が経験できることではないので共感というよりは学ばせてもらうという感覚です。
若手選手やまだ陽の目を浴びていない中堅選手にとっても同様に、みんな最初は経験無しからのスタートなので、経験がなくてもそういった先人の言葉にはたくさんヒントがあるはず。
そういう選手とトップ選手の会話もめちゃくちゃ勉強なります。
色々経験して乗り越えてきたリアルと、まさに今壁にぶち当たってるリアル、
そりゃ面白いですよね、現場で聞けるリアルな対話です (^_^;)
専門家として、専門的な事をひたすら語ったり、コレは良い、コレは悪い、とかいうレベルの話ではなかなか答えにならないのが現場のリアルだと改めて感じました。
かといって、選手が言っていることが全て正解ではないので、リアルな部分をどう専門家として解釈するかだと思います。(まさに今回の疲労のマネジメントなど)
アスリートとの対話はすごく大事、あえて全部聞かないのも、しつこく深掘りするのも、横について見守るだけも、全部が対話。
せっかく素晴らしい選手が目の前にたくさんいるので、お互いにとっていい時間になるように、いい時間と感じてもらえうような関係性を築いていきたい次第です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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